2011/02/10
八日目の蝉(中公文庫)
読了。
カバー裏を読んで買いました。
今日は少し辛口目。いえ。
決して作品に対する辛口ではないのです。
作品は面白かった。
アオリを作った人。
出てこいやー!って感じです。
(ホントに出てきちゃったら謝っちゃいますが...)逃げて、逃げて、逃げのびたら、私はあなた
の母になれるだろうか......。東京から名古屋へ、
女たちにかくまわれながら、小豆島へ。
偽りの母子の先が見えない逃亡生活、そして
その後のふたりに光はきざすのか。心ゆさぶ
るラストまで息もつがせぬ傑作長編。第二回
中央公論文芸賞受賞作。
さらに、帯アオリ。
優しかったお母さんは私を誘拐した人でした。コピー自体は奇麗ですよね。
ただね。
うーん。
あの。
納得いかない。
カバー裏とアオリを読んだだけだとね、
誘拐の事実を隠しきったまま親子ふたりでの平凡な生活を送り、
娘が成長→多感なお年頃→告白→娘の逡巡→逮捕→ハッピーエンド
みたいなのを想像してしまいました。
実際内容は娘の記憶には母の姿はほとんどない。
新聞や本でそれを知る訳です。
なんかキャッチコピーずれてね?
あ。
勝手に期待したのか。
確かにアオリの前情報がなければ、
ダヴィンチででも紹介されてないと手に取らないかもなぁ。
ということは結果として帯は成功か。
だけどなぁ...。
と思う訳です。
というワケで。
内容デス。
フリン相手の実の子どもを誘拐してしまうのです。
そして逃げる訳です。
点々と逃げ回り...云々。
今度はその記憶を持った子どもの物語...云々。
これ以上書くと読んだときに面白くなくなるのでここまで。
逃亡生活を助けるのは女性ばかり。
この本に出てくる男は大変にダメな人間ばかり。
男性が読んだら
「なんだよちくしょー。男にだってきちんとしたやつはいるんだよー。」
と、ツイってしまうこと請け合いです。
(こんな時間でも起きていて昼過ぎまで寝ているぼくにゃあ言えませんがね...。)女性の気持ちはわかりません。
今度
恐る恐る伺ってみよう。
アオリを見ずに読むのなら、
オススメですよ。
念のため何度も言いますが、
面白かったです。
ラストは苦手な形でしたが。
そうそう。
前から気になってたんですが、
皆さんにお聴きしたい。
解説ってジャマじゃないですか?
だいたいの小説ではラストの急流の様な流れのあとに、
ゆっくりと話を締めくくって終わると思うのですが、
終わった瞬間に「かた~い」若しくは「くだけまくった」文章が
書かれています。
ジャマなら読まなきゃって思うかもですが、
それまで文章をずっと読んできてるので、
ついつい目が追ってしまいます。
なんだか強制的に集中力を切らされると言うか、
余韻がほどけると言うか。
見せ方とか構成とかも作品の一部ですよね。
どう思いますか?
突然「育児が快楽ということを再確認しておこう」とか言われてもねぇ...。
(なんだか今日の文章は一段と浮沈が激しいなぁ...)